アンティークにまつわる逸話やアンティークへの思い、ためになる知識などアンティークに関する様々なお話を毎回ご紹介していきます。

Vol.010 (ギャラリーコテツ)
アフタヌーンティーと英国銀器
Vol.011 (Antiques Violetta)
麗しのアンティークジュエリー
 
Vol.007 (ギャラリー チューリップ)
アンティーク絨毯・キリムの購入のヒント
Vol.008 (Angel Collection)
アンティークレースの世界 ポワンドガーズ
Vol.009(塩川コレクション)
北欧のアール・ヌーヴォー ビング&グレンダール
Vol.004 (Antique Teardrop)
ジョサイア・ウェッジウッド に思いを馳せて
Vol.005 (Angel Collection)
貴婦人の楽しみ ソーインググッズ
Vol.006 (Indoor decoration UNO)
家具入手の秘訣とは?
Vol.001 (ギャラリーコテツ)
紅茶の歴史と英国銀器
Vol.002 (CopperMold)
フランスの麻のドレスとモノグラム刺繍
Vol.003 (古美術太田)
元染付壺が32億円で落札!





素材のよいリネンで手作りされた、フランスのモノグラム刺繍入りの素朴なタオルやドレスは、気軽に普段使いしたりリメイクできる魅力から、フランスでも日本でも近年大変人気があります。
これらはフランス女性が嫁入り支度として用意したものでした。19世紀までは、テーブル・ベッドリネンなどを一式揃えることが中心でしたが、次第に女性たちが流行に敏感になり、衣類が増えていったのです。

20世紀になると、家庭用リネンに加えブラウス、ネグリジェ、キュロット、ペチコート、ストッキング、カラー、さらに袖が作られました。そして綿や亜麻・大麻のキュロットやシャツ(ドレス)は、このころから、洗濯の近代化される1930年代半ばまで、大量に作られることになります。


娘たちは婚約前に自分の姓の頭文字をあらかじめ刺繍しておき、婚約すると、その隣に相手の姓の頭文字を加えたそうです。一般的には、個人の衣類には自分の姓・名それぞれの頭文字を、家庭用リネンには自分の旧姓と夫の姓の頭文字を組み合わせるならわしでした。名づけ前の赤ちゃんのものには"bebe"、子供たちのものには頭文字でなく、名前のスペルが全て刺繍されました。

普段使い用のリネンに刺繍するときは、赤で簡単にクロスステッチ刺繍を。上質なベビーリネンには白で丹念な飾り刺繍を。これは良家の誇りでもありました。

イニシャル刺繍の利点は、洗濯屋さんで識別できることと、紛失しにくいことでしょう。もちろん装飾性、さらに若い女性が針仕事の腕前を見せた側面は否めません。刺繍用の針と糸、パリの専門店のカタログのイニシャル見本、そしてときにはスタンプとインクを用いて、未来の嫁は豪奢なイニシャル刺繍を実現したのです。





画像は、お客様の麻や綿のドレスの着こなし例です。時に切ったりしながら、上手におしゃれを楽しまれています。

こうしたドレスは実は、1850年代主に暑い南仏で、畑仕事のために作られたのが最初でした。そのために汗をかいても快適な麻が好まれたのです。襟周りに紐を通しギャザーを寄せるタイプのものは、繊細なボタンホールによるスカラップ模様があり、肩にはよく小さなパールボタンがありますが、これは持ち主が上流階級であった証拠です。農夫にも階級がありましたし、また畑といってもお城の敷地内にあった場合もあります。

地方によっては、この麻のドレスで外出もしたそうですが、いずれにしても、本来はLevisのジーンズのように実用性から作られた仕事着であったのです。


今回のVol.2 コラム 「フランスの麻のドレスとモノグラム刺繍」 は、 CopperMold さんに寄稿していただきました。


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元染付壺が32億円で落札!