アンティークにまつわる逸話やアンティークへの思い、ためになる知識などアンティークに関する様々なお話を毎回ご紹介していきます。

Vol.010 （ギャラリーコテツ） アフタヌーンティーと英国銀器	Vol.011 （Antiques Violetta） 麗しのアンティークジュエリー
Vol.007 （ギャラリー チューリップ） アンティーク絨毯・キリムの購入のヒント	Vol.008 （Angel Collection） アンティークレースの世界 ポワンドガーズ	Vol.009 （塩川コレクション） 北欧のアール・ヌーヴォー ビング＆グレンダール
Vol.004 （Antique Teardrop） ジョサイア・ウェッジウッド に思いを馳せて	Vol.005 （Angel Collection） 貴婦人の楽しみ ソーインググッズ	Vol.006 （Indoor decoration UNO） 家具入手の秘訣とは？
Vol.001 （ギャラリーコテツ） 紅茶の歴史と英国銀器	Vol.002 （CopperMold） フランスの麻のドレスとモノグラム刺繍	Vol.003 （古美術太田） 元染付壺が32億円で落札！

日々何気なく身に付けているジュエリーですが、実は最も古い歴史を持つ装飾芸術の一つです。ギリシャ・ローマ文明を下敷きに、ヨーロッパ文化が洗練を加えていったジュエリーの世界。その麗しい世界をご一緒に垣間見てみませんか。 私たち人間は他の動物と異なり、美しいものに対し強い愛情や関心を持っています。その美しい色彩や形を身に付けてみたいという願いを持っています。それが宝石であれば、その石に宿る不思議な威力で、自身を清め強くなりたいという思いが古（いにしえ）の時からあるようです。 宝石の中でも圧倒的なその美しさや硬度から、宝石の王様といわれるダイアモンド。歴史上このダイアモンドをこよなく愛し、その威力を思う存分発揮した人物を一人選ぶとしたら・・・それはフランスの「太陽王」ルイ14世（Louis XIV）でしょう。 時は17世紀。冒険心溢れる商人達がインドから素晴らしい品質のダイアモンドを手に入れ帰国しました。おりしも、光の屈折の法則が発見され、カットによってダイアモンドから光とファイアー（虹色の輝き）が発生することが分かりました。 目も眩むばかりの輝きが誕生した時代です。それに魅了されたのがフランスのルイ14世です。ヴェルサイユ宮殿にある長さ73メートルの回廊が続く鏡の間に、王侯貴族や外国の使節団を呼び寄せます。王は、全身をダイアモンドで覆いつくした衣装を着て、自らが太陽の化身となって踊って見せたといわれています。太陽そのものになろうとしたルイ14世…あまりの眩さに、そしてその圧倒的な存在感に、人々は王を直視することができなかったと伝えられています。 さて、このダイアモンドですがどうやって誕生するのでしょうか。 ダイアモンドは地球の奥深い地下１５０〜２００ｋｍの所で、３０億年という長い年月をかけて育まれます。誕生するまでには人の想像を絶するほどの圧力と１２００度以上の温度の場所で生まれます。その後、マグマが噴出した際、私たち人間のいる地上へと運ばれるのです。 地球の誕生は４６億年前といわれていますが、世界最大のダイアモンド、「カリナンI−５３０．２カラット」は１７億年前に誕生したと推定されています。この時代、地球にはバクテリアの様な微生物しか生存していません。私たちのヒト先祖に至ってはほんの５０万年前にやっと出現してきたのですから、ダイモンドと比べればほんの赤ちゃんのようなものです。　 ダイアモンドは宇宙の財産であり、自然が生んだ奇跡です。さあ、あなたも街へ出て、ダイアモンドの新しい魅力にふれてみませんか。

今回のVol.11 コラム 「麗しのアンティークジュエリー」 は、 Antiques Violetta さんに寄稿していただきました。

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